2)健全性の真相

鶏の首を捩じり息を止め、羽を捥ぎって血を抜き肉を刻み、ビニールの容器に入れて、食卓に食材が届けられる。使い勝手の良い体裁に整えられた段階での扱いに慣れ、上流の工程に直接的に関わらない食生活が作られて、現代的な感性が備えられる。誰かが、動植物を育て作り殺すという残酷な工程を担う事が欠かせず、そうして綺麗に人口化された物資と届けられ摂取し人々の生命が繋がれる。

こうした原初的且つ不動的な必要工程の認識が離れるほどに、どこか偏った人間美を備えられて動植物の生命を奪い人間の生命を活かしている感覚の弱い一面的な感性が進行する。そこから現れる発想や表現には基礎を外した美感を表される。頭脳過多の体質から作られる生身の工程感覚の希薄な感性からは負に蓋をした一面の正へと偏られる。これを基準に取っては歪んだ性質の秩序が進行し、健全な基軸を欠く感性が広げられる。原論過多の創造性や文字や数字から始められる二次情報の収集と加工を規則性にする感性を主軸に取ると実際的な感覚工程を外した感性や欲望、表現が作られる。

現実世界と大分離れた優先順位や全体観を抱えられて強調すべき所のズレと現れ健全な概念や論理が生まれない。社会システムを産業経済と政治行政と文化教育の3領域で区分し、感覚と観念と感受性との対比を持った拡大的有機体像を抱いて歪な偏りを予防する全体の成長軌道が描き出され、中でも感覚と頭脳の適正な循環による概念化や論理形成の表現を受け持つ文化教育領域に配される人々の感性に、上述のような生身の感覚を欠くと健全な社会の仕組みと乖離した成長志向を表される。

基本となる主軸観念を抑えた上で、各種創造の価値を配列する全体観に健全な感性が生まれ表現に反映されて認識が強められ、健康な価値観を有する人間が形成される。一面的な美感に寄らず人間の残酷な負の側面への真摯な認識を欠くと歪んだ感性が広がり、それがむしろリアルな生命感覚を喪失して残酷な無自覚の殺人に及ぶ。安易な道具の用い方や詐欺や盗みの感覚を崩した慢性的病理を抱え、極端な反応を持った人間性が進行する。頭脳過多で間の工程を省略した即時的な反応を生む人間の基本的皮膚感や感受性を崩した特異な現象が生まれる。

少年期や青年期に適度に体を交えた喧嘩のような工程や動植物との実際的な関わりを経験するなどして、自然と人間や人と人との生身の野性感を経る事が過度な人間の美感や人間中心的な感性を和らげ健全な精神を育て上げる。今日的には、ITやインターネットというバーチャル的な情報世界の進行と対比されて或いは物質文明といった広い歴史観を鑑みて適正な感受性を創り上げる焦点を取って、真に健全な人間の在り方を見出す活動が求められる。

以上のような観点は、自然や社会生活の不動的な普遍性を表しここが抑えられて社会システム上の要路に相応しい感性の在り方が要件化される。健全性を喪失した歪な美性からは誤った軌道が進み社会の荒廃や衰退を齎される。自己陶酔的な美性は主軸とは成り得ず3次4次の経路で基幹を支える全体観が適当であり、又は頭脳過多の弊害を抑えて健康な心身を形成する原理が導出される。生滅や正負、快不快等々の二面を内蔵する人間像を描き、根源の観念に備え良好化に向けた創造に基軸の太い堅固な基盤を持った文化が作られる。

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