多くの人々は、綺麗で美しい物事に憧れる。外観的な見栄えや動態に見る快適など対象は様々であり、多種多彩な実感の取り方を抱く人間の性質が垣間見られる。どれか一面的という感覚の取り方には無く、いろんな美しさの感覚と割合を混合して美感が形成されているのが実態に思われます。こうした中に在って過去の歴史事象から快不快の感覚が形成され生命への尊さに優先的な価値を置きそれに直結する事柄への意識が強まり、美への序列を形成するのが標準的な感性となり、動的側面への探究が深められて静的外観面は後列に配した美の体系が作られる。
衣食住という消費が目前に置かれ、それを得る手法に生産的規則性が作られ生産と所得から消費を得る循環が作られる。この日常的な美感へ対して多様な快不快感や喜怒哀楽の体験から哲学的な思索が深められ根本の焦点が形成される。これが宗教や思想などと呼ばれる領域となり、生命観や人間観、自然観といった観念が作られ感覚的事象を観念的なフレームを持って配置させ直感的事象を深みある欲望を持って冷静に性格をつけ、自他の制御を果たす創造が生まれる。物的即効的な感覚と人との良好性を意図した心理的な良好性を併せ持ち、両面の適正な在り方を作りだそうとする営みとして現れる。
生命観の浮かべ方として、事象の捉え方を生滅不可分や直接間接の因果という観点を設けて示された釈迦の因縁生起という世界観等に信や真を抱き根本原理と抑えられる人々も生みだされる。生の増進は少なからず何がしかの滅を伴いここに相矛盾する感覚を抱いて両面への適正を作り上げたいという共生感情が生まれ、こうした見方からの対応を進める事に適正を見出し人間の変容しづらい理性の所在を固める等の根本的価値の設け方が生まれる。又、事象は直接的な事象とそれを起こす間接的な事象という多様な連なりを想定する事により、対象を広く把握し意図する欲望に対してより良き充足への予見を浮かべて仮説と実際の整合へ連ねる高度な思索が進められる。
本書の立場は、このような「因縁生起」という世界の浮かべ方を根本に取り、在るべき人間像や自然観を作り上げる事になります。生滅を調和させる手法として「健全性」という概念を作り、主体性の中核的な軸足にとって適正調和を果たす人間の根本的且つ不動性の欲望とする主体性像が創り出されます。
この生滅概念が、善悪や美醜、正負や明暗、快不快等の二項的感性を作る根源に成り、人間は生まれながらにこの二面性を備えた存在という性格を起点にして、マイナス性への配慮を浮かべつつなるべくプラス要素の上回る事象を作り上げる発想を取る事に於いて、健全な理性の実践的な側面が実感される。
人間を過度な美感で覆う表現へ偏る事象がしばしば現れる。上述のような根本的な感性世界の掴み方が在って、個別局所の適正な見え方が生まれ、これを欠いた美性へは適度な距離を設ける感覚に健全な人間性が示される。外界ばかりを映す感覚の深まりに自己を含んだ対象化へ及ばせて主客の適正への作為が生まれて美の実践と謳われます。言う事は容易いという認識を抱きつつ、なるべくこうした観念を意識のどこかに備え、身体と頭脳に反映して制御する基盤の原理となって長期的な良質化への肝要点が示されます。現況の人間をありのまま正負を内蔵する存在と捉え負を補い正の上回る生産へと深める意識に在って大きな破滅的な争いを回避し持続的な再生産を実現する道が浮かべられる。これらから「欲望と力と責任の均衡」を目途にした主体性の健康像が浮かべられ、実際事象に適用させる実践工程が表される。以上のような論理を根本の規律に備え作用させる事が必須と描かれる。万人的なビジョンに浸透するほどに負を上回る正の道が作られる。
こうした理念に対して現況を掴み適正な方法を投じる事が文化形成の道筋と示されます。独り善がりの理念で在っては適正には及ばず、外界と自己の状態を鑑みて理念に向けた方法を導出する歩みに於いて健全な人間が作られる。負の性質の強い対象には適正な対処が要り、粘り強く理念を捨てずに現況に適する方法を投じる事が真に理念を遂げる歩みを指す。頭ばかりに寄った美感と実際的な行為のアンバランスな実態と映し出される事象も少なくない。言論表現は自己の欲望を指し外界へ求める欲望という性格が強く実感されると外界からは抵抗が強められる。一方向の態度を強要する姿となり他利を提供する生産者と離れ利己的性格の強い表現者が生まれる。両者の無理のない調和を「欲望と力と責任の均衡」という尺度を持って過不足の少ない権利義務を見出す力が促進されて個別性を含めた動に即した両者を含む健全な主体性が作り込まれる。物理依存症は欲望過多の責任不足を指し肥満なストックでフローの良質性に無い感覚が作られる。心理的欲望を求めず物性に過度に縛られた感性を指し力を適正に制御できる均衡へ是正させて健康な精神と肉体に及び、過度な物性の欲望が抑制され主客の調和へと導かれる。