文化規定

「○○について」答えよ。という問いかけに対して、模範的な解答の示し方は、○○という事への現況認識に始まり、それへの快不快感が起こり、快適は増進不快は削減という方法論を提示する事に於いて一定の答えが示される。

より詳細には、○○への現況認識に、時空という範囲を設けどんな観点に着目し、要素と要素間の特定を持ってそこで見られる刺激と反応の関係性を掴み対象が把握される。それを下に、自己との関係性を創り上げる人間の応用的な行為が現れ、対象の把握とそこから得られる人間に有用な栄養素を見出し、持続的に吸収できる仕組みを叶える作為が生まれる。対象と自己との有限的な関係に、無限の循環を生み出す施策を投じて、持続的な事象へと昇華させる事が有限の生命という不快感や限りある資源の有効な活用へと及ばせる無限性への欲望と起こされる。根源的な人間の本能と浮かべられる生命の存続に対して方法への探究が進められ、外界事象の創造性に及び対象から生まれる有用なエネルギーを人間が摂取して生命を伸ばす作為を取る基本的な活動像が描き出される。

以上のように、外界認識、有用な要素の特定、持続的吸収と成る対象化、対象と主体の持続的関係性の構築、その過程から生まれる新たな人間の変容、変容に対する快不快感、有用な方法論の探究という循環系となり、経験的に積み上げられる知が重なり、事前予防型の知と生かされ適正な事象を創り上げる知と回る。外界の知と人間の知と、両者の相関の知という3つの知を得ながら自己の望む人間像へ有用な施策を投じる過程が創り出される。

こうして問題を出題される側から、問題を見つけ、自己の解答を見出し、或いは他者へと問いかけ、新たな問題を感じ取り、対策を生み出す、外界と自己と他者との持続的再生産の人間像が生まれる。このような理想と成る人間像が次第に形成され、それを下にした創造性へと連なり、人間の意思を主体にする制御性を持つ創造が図られる。この中で思い描く事と実際事象との実感で検証を持ち、予測通りの事と予期せぬ事が起こり、新たな知を掴んで事後の生産へと生かされ、理想の人間像の見直し等へと反映するサイクルが生まれる。この弛まぬ活動に人間を作る姿が映し出され長期的に安定した原理と及ぶ事柄に文化という名称を設けるのが本書の文化規定と成ります。

人間の叡智となり、欲望と充足の良好な実現を齎せる知恵が生まれ、多くの他者との共有で富の増産が果たされる。これが言い換えると、正負を内蔵する人間像に立脚し少しでも良好な人間を作りたいという理念と実践の工程を表し、健全な人間像と固められ歪性との対比が起こり適正な軌道を大きく外さない制御が果たされる。負の認識が弱いと適正な正に及ばず自己の認識を欠いた美性を表し不快感が映し出される。外界と自己を合わせて掴みだす重層の認識構造において真の調和が見出される。このような文化の中枢的要素が浮かべられ文化概念への枝葉が付けられます。

文化の起こり

「○○人は、××である」といった抽象性の高い主語を用いて極端な断定を示す表現が度々起こり、適正を欠いた感性と映し出される。文系の論理構造からしばしば現れる飛躍的且つガサツな感性に陥り生まれる根源的感受性の弱まった性格の創造性とも伺え、ここから不快感が起こり根の深い対立的な溝へ及んで修復の困難な事態を招く因果に映し出される。

無限性や平等感覚という根源原理が重しとなって、表現や行為への適正な秩序を作り人々との良好な関係形成の普遍的原理と浮かべられる。長期に渡る歴史の教訓から固められた不動的な原理として、多くの人に備わる共通感性に浸透されているものと思います。経済的な競争環境の変化や生産用具の高度化等を背景に、人間の精神面の粗雑さが進行して言葉や行為や表現の質が下落する事へは深刻な客観的認識を抱いて、基礎に立ち返る周期をもつのが人間に備わる優れた習性であり、ついつい淡白な反応が進んで言い過ぎた発言などへは、率直に自己否定の態度を示し健全性を修復させる行為が大きく軌道を外さない肝に添えられる。

社会的地位や見栄に偏した利己的一方向の傲慢さから素の人間性を壊し当たり前の躾を欠いた態度が起こり、負の連鎖性を拡大する認識の弱まりへは強い警鐘が鳴らされる。身近な対人形成の焦点が文化という長期性の原理へ立ち返る起点に成り、大きな物理力への依存した感覚から根源的な良心を崩して物性での強要的な力の進行を齎せる事には人間性を崩壊させる。誤りへの真摯な対峙を軽視した物性型の体質が深まる事は根源的な性質の変容を表し人間の質を悪い方向に導かれる。

これへの強い問題意識が起こり安易に見過ごす事無く、根源性の下落への適正な対処や予防の施策が講じられて、未来への良好な環境やソフト面の精神性を引き継ぐ事に於いて、一時代的な歴史の分断性を回避した人類史の一員という意識が備わり、親や子や孫との連綿性が生まれ有限の生命を無限に開く道筋と描き出される。表現や行為のガサツ性への意識が注がれると共に、歴史の一員という欲望が起こる所に重心を備えた人間性が生まれ、不完全な脆い精神を備える人間に対して、落ち着きある安定基盤を整え自由を謳歌する快適な秩序を作る活動が生まれる。感覚的効用への正負の側面を客観的に鑑み心理面の下落に及ばせない制御に在って健全な人間を創り上げる文化の焦点が生み出される。