1)価値の序列と全体観

システム概念は外部からエネルギーを吸収し根本と基幹と枝葉という内部構造でネルギーを変換し外部へエネルギーを創出する循環系として全体が示される。これが有機体の基本的な仕組みを指し、人間という生命体にも同様に適用して個々人や特定集団、集団間や地域といった範囲の広がりを取り、現況状態の認識やそれへの快不快感から意図するビジョンへの方法を考案してより良いシステムの循環へと作為が加えられる。この管理的な側面の操作に対して、人間の生物物理的な仕組みや心理的な感情から実質的に得る欲望の質量を向上させる面があり管理面と実質的充足とを両睨み、自然と社会の適正な持続的調和を図る事が人間生活の全体的な構図と描かれます。この社会システムという社会現象の大局観の抱き方によって各種の特定領域への重みづけが取られる。

人間の生存に直結する衣食住を中心に生産と流通と物流の安定した仕組みの構築が中心的な焦点に取られ、補完する政治行政や教育文化という領域の相関でシステムの全体を構成する事が、感覚と観念と感受性を備える人間の構造を反映した欲望の適正な充足の方法と及び、不動的な型枠を持って外界を創り上げる事が人間の拡大的な成長概念となり、感覚を良く掴み制御を果たす観念図式と思われます。こうした全体像から見ると法や教育等という分野は後段的な配置にあり全体観との対比から各種分野が備える作用の序列が構成され相応しい表現に及んで各種の要望や提案を示す事に適正感覚が創り出される。

今日の細分化した分業社会においては、どこに主軸があるかを忘れたかのように、自分野を殊更に大きく訴求され全体観の適当な把握を欠いた力加減の歪な表現が起こされる。政治やマスコミ等という領域が力を持つようでは本来的ではなく根源的な観点から分を弁えた感性を備え社会生活の確たる安定と成長を意図する感覚に在って健全な感性が生まれる。生命線はどこに在るか、この維持や向上に有効な事柄へ視線が取られ施策の優先順位を抱くのが健康な感性と映ります。こうした感覚が生活の豊かさと共に肥満化し、焦点がぼやけて過剰要求とも伺える客観的な認識を欠いた生産者の姿が現れる。

安全保障政策を作るに際しても感覚的な質感を下に生命への危機の序列を構成し各領域の自己認識を取って適当な領域の技術の相関を示す事に外界との適正調和感覚が現れる。肥満な感覚は強弱のピントのズレた論理や主張が展開される。価値の多用性等と謳われるものの、所与的な思索の上に現代の多用な生産を仕分けて表現の適正を抱く所に健全な世界が作られる。下限的な最悪事態への予防が一丁目一番地に取り上げられ、相対的な価値の積極策が作られ両面の相関に視線を及ばせる発想に健全な人間性が浮かび上がり基軸と周辺の感覚を掴み多様化した欲望に対して定期的に枝葉を剪定して良質な根を失わない有機体の存続と成長が遂げられる。

先々、厳しい社会経済的な時代状況が予見される今日に在っては、どこに価値の比重を取るべきかの適正を再考し余分な贅肉を削ぎ筋肉質な感覚と欲望の体質に改善し、自己制御の適正を図る発想が望まれる。各種の創造は自己の技術の中枢的作用を確認し、特性を磨くと共に社会全般から浮かぶ時代の趨勢や動向との適合を見出し持続的生存への方途が作られる。外界と内部の適合へ意識の弱い机上的な価値の志向を持ってはピント外れの感性が生まれ、対象を良く窺い知る規則性を外した状態と認識される。

人権等の人間像の理想的なあり方も現況の実態からあまりに乖離した美化に陥る事や、観念的に人権があるという感覚を抱く事にも頭脳と感覚の程良い循環の規則性と離れた精神を宿し、健全な人間像と離れた実態が映しだされる。在るというよりも作りあげる発想に健全な姿が映り頭でばかり掴みだす事無く感覚的な実感を持って質実を把握し理想と現況と方法の動態の中で人権や人間が実感される。猿に近い感覚から物性と理性の適当な型式を作る意識を備え健康な精神と肉体を宿す人間性が現れる。こうした長期性の欲望と中期や短期といった区分や連なりが意識され、適当な力の投入割合を持つ漸進的な理性の形成軌道に適正感が生まれます。

本書の中心コンセプトは、「健全性」にあり、健康な精神と肉体という長期性の人間像に重心を取り、感覚と頭脳と感受性の良好な循環において、当該概念の実感が得られ、そこに安定と成長を齎す規則性が浮かべられます。良好なエネルギーを発生し続ける有機体の基本構造を指し、肥満症による悪性の体質を測定する目安と共に改善や適正配置を促し新陳代謝を遅らせる事のない活き活きとした性質の維持と向上に焦点が定まりこれに連なる各種の概念を想起します。