6)文化基盤の作用と形成過程
機能的感覚反応のみを訴求するような表現に伺える事も少なくない。暑さ寒さや痛いや心地よいといった直感的な個々人の身体的反応に対して、和らげる事や充足させる事が、技術による刺激と反応の状態と浮かび上がり、その快適性の反応から生まれるプラス性の喜びを提供して、技術の作用と共に人からの感謝が生まれそれに等しい対価を払い両者の良好な需給関係が示される。刺激による反応と現れる効用に技術の価値が生まれ、他者からの喜びを得る生産の基本式になり、これを説明するのに理念と現況と方法という概念を設けて理念には人々の喜び、現況は刺激による反応の想定、方法は刺激という施策を指し、生産行為が表現される。つまり、生産の理念は人々との心理的欲望の実現を指しそれを叶える技術力という物的作用や情緒的作用を作る力を指し、その力と刺激による反応の想定が描かれて仮説の下に実施して他者の感覚の検証により同一的な実感か、異質かの学びを経て技術力の微調整等へと反映される。
| 理念
(心理面) |
刺激と反応
(心理面・生物物理面) |
|
| 他者への
喜び |
刺激による反応と効用の予測 | 実際の効用 |
| 自身の感覚 | 他者の感覚 | |
他者の感覚を無視して自身の感覚ばかりによると、一方向の強要や思い込みの激しい技術の提供になり、他者からの実測を経て喜びに在るかの感触を無視した傲慢な生産者によると需給関係が成立しない。頭での勝手な想定の段階と実際の実感を経る段階を分けて確かな技術と効用の関係を創り上げ、理念と成る喜びを齎せて活動の整合ある循環系が作られる。こうした論理が基本に上がり無形の言葉や論理、主張や批評等も同様の図式が適用される。「○○について自身はこう思う。」と表されて、それへの反応が同質か異質か、この異同を想定の下に対話が生まれる。「なぜ、○○と思うか」と理由などを深掘りして因果の取り方の異同や発見、不快等という感触が生まれ相互の対話が深化する。一方向的な強欲性はこうした想定を持たずに思い込みの激しい自身の論理に比重を持ち他者の考え方や反応を確認せずに立ち振る舞われ、共生的な姿勢を表さずに支配管理型の欲望を強められる。理念の歪んだ性質と特定され共生志向の欠いた物的合理性ばかりの性質と浮かび上がる。これに陥る事のない適正な図式に上述のような概念が示され、理念と技術と効用と検証、理想と現況と方法等という区分が設けられ良好な対話や関係形成の作法が示される。大きな力を備え責任感覚が乏しいと理念や欲望に歪みを起こし、欲望と力と責任の均衡という基準尺度に対する不均衡が生じ、健全な主体性と離れた態度が現れる。理念に他者の利益という面が備わらず思い込みの技術と提供を一方向的に投じて満足される歪な人間性が浮かび上がる。これが酷くなるほどに需要者は減るという自由な選択環境が備わって自浄作用が促進し健全性が保たれる。寡占市場や極端な力の保有という格差から、相互対話性が劣って人間の劣化が進み文化基盤が脆弱化し健康な経済成長と離れた生産構造が生まれて性質の歪さと及んで根源の感性が棄損する。
こうした状態は長く良質な生産を続ける環境とは乖離して、大きな衝突や極端な成長や偏った需給構造と現れる。長期的な想定が及ばない気の狂いとも伺え、健全性を欠いた強欲な性質や短変数の感度に陥り即効的な快適を求める動物性の進行と描かれる。感受性の喪失や弱まりと成って理念の健全性を欠き技術ばかりに寄った感覚が進行する。真に喜ばれる技術力を持続的に磨き上げる集中と限定を在る程度設けて健全な感受性の所在が確認される。あれもこれもと物理力を持って手を出し荒稼ぎ的な発想に進む非社会的な性質には適当な縛りを課して、長期的な性質の良質化を図る視点が設けられ健康な秩序の維持と増進に連なる。供給者の偏った特殊な技術力はインフラ面には適当ではなく、汎用的、万人的な感性を含む性格をもって適当な需給の在り方に繋がる。或いは、影響の大きな特殊な技術を用いるだけの人間への要望が課せられる。幾多の検証を重ね次第に皮膚と備わるまでの適正な過程を積み重ねて確かな基盤へと到達する。とんとん拍子は問題の発見を欠いた違和感と映り、問題を隠さずに堂々と対峙する進行の作法が強固な文化基盤の感性であり、小手先発想による歪んだ性質は根や柱にはなり得ない。政治行政の腐った空間は刷新する機会を外す事無く対処する事が必須とされる。「人間なくして技術なし」「文化なくして政治なし、経済成し」一丁目一番地の変わらない根源則と謳われる。