3)情緒性の欲望の一側面

3)情緒性の欲望の一側面

情緒性の欲望に一人ひとりが平等であるという思想が浮かび上がる。人種に差別を設けず万人が同等の存在であり、思想や信条の自由を認めるとする普遍的な価値が定められた。何者にも支配されず自己の意思によって自由に選択する主体性である事に重きを取る人間の尊厳と思われます。これを普遍的な理念として、個別事象の積み重ねから特定の事象を取り上げ具体的な行為類型と纏め、してはならない事の共通規定を設け、法律と制定し理念と運用の関係が作られる。人間として当たり前に備えられる権利が明瞭化され、最上の価値の認識が創り上げられこの制約を重んじて下位の規定が作られる。これを抽象概念で区分すると、根源性と共通性と個別性という型式で表される。

根源性 共通性 個別性
理念 憲法、法律 限定的

当事者による合意形成

人類の永続

平等

してはならない事

(して良い事)

このような体系を備えるのに、健全な心身の状態という在り方が実際上の感受性と浮かび上がり、健全性概念の要件や形成過程の壺といった点に、長期的な観点からの叡智が抽出され観念表現の創出という試みと共に訴求をして、実態化への力が注がれる。それをどう受けられるかも自由であり、各人に独立した意思が備わり、共感や相違が生まれて、共感する部分の接点を見出し根源的な感受性と実現の反応が形成される。この観念自体という面と、個別的協働の生産過程の中で適用される面とが浮かび上がり、其々の活動があって叡智の磨きだされる永続的な軌道が生まれる。平等という観念一つを見ても、その解釈は多彩であり思想信条の自由という言葉も、観念として権利を規定する事自体が自由と相反するといった矛盾も孕み、どういう実感の浮かべ方に根源価値の実現を見るかの探索が進められる。

「生まれながらに、正負を内蔵する」といった人間像を一つの提案とするのが本書の特徴に成り、この感受性が人と人の共生性に連なり平等への実態を高める事や健全な心身を形成する起点であるという考え方や、健全な主体性を示す尺度に「欲望と力と責任の均衡」等が示され平等思想を実感する規定と示されます。個々人の成熟性が進むにつれ、各人の解釈に深みが生まれ国家観や憲法観もこれによって作り方が変容する。全体的に物性的な感覚が進行していると見れば、個々人の物性面を強く縛る権力が要り、或いは、国家の運用自体が物性的であると見れば、行政を憲法で縛る面が強化される。どのような事実認識に寄るかで方法にも多種多彩性が現れる。頭に偏した観念と成らぬように実態性を引き出すような深い実感を得られる示し方等へと思索が進められ情緒と物性の適当なあり方が導出される。「して良い事」を規定する意味は保障するという事か?誰が?表現や規定する事自体の意味?

4)個と全体

人類の永続という直接的な個々の欲望よりも全体としての価値を高めるような発想に在って、健全な個々人の姿という実感にも及び、個人と全体の適正には個人を上位に置くか、全体価値を上位にするか、正確には割合の問題と思われますが、どちらかというと後者にあって健全にも思われます。現在と過去と未来において過去への感謝の気持ちが奉仕性の感性を起こし永続性に連なる全体最良性への発想に及ぶ。個別体験的な事であり一律性の困難さが浮かびます。過去への恨みつらみは直接的な相手方に向けて投じる事が筋であり、関係の弱い所に回さない感性が自己制御力となる。このけじめ感覚の上に、建設的前進性の創造を持って、良好な価値を追求する活動が生まれる。

悪性の発生源をゴミと片付ける事が重要であり、この性質の強いものを大きな影響力を持つ所に配置しない事が、ねじれの連鎖を食い止め、要件規定に反映されてマイナス事象の減少に及ぶ。特異な成長過程から生まれた感性を主要な配置に置く事の正負の作用を良く鑑みて健全性を欠いた判断をしない事が適当に思われます。或いは資格制度や教育制度等を健全性の指標を強めて改良する必要がいる。更には、現況の健全性を測定して、改良する包括的な体系で全体の良質化が図られる。

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