パイの配分の不均衡という状態や、パイを持続的に増やす為の基本的仕組みという焦点が、中長期の構造改革と長期的な人間像の正常化策に成り、一つの提言という性格に在るのが本書の文化論と成ります。
おいしいお菓子というパイの定義には、おいしいと感じる人間側の味覚とお菓子自体の産出によってパイが創り出される。つまり、供給力のみでパイは規定せれず需要の起こり方を含んでパイの概念が生まれる。供給能力は質の上に量を作り在る需要に応えて需給構造が生まれ、一定の所で頭打ちになる。新規の提案か需要自体の開発が無ければ、パイは拡大せず成長は止まる。この両面を睨んだ成長過程に質の変容と量の提供による持続可能な成長概念が成り立ち、創造事物と人間とが成長する事を想定した開発概念を標準にとって産業経済の発展概念が創り出される。
人間の感受性に不動性を置くならば、それを基準に感覚を作るか、或いは感覚の変容が進み感受性も連動する事を含んで、感受性への欲望と感覚の欲望が生まれる流れと、供給側の新規開発での提案から感覚的な新規性や感受性の発見という欲望が作られる流れが生まれる。どの欲望に比重を持ちたいかいによって流れや割合が変わり需給構造が現れる。
文化論における健康像は物性と情緒性の欲望を求め、前者は在る所で逓増し、情緒的な欲望の面に限りない願望が想定され、情緒的味わいへ応える創造性にパイの拡大の可能性が生み出される。これをお金で買う事も少なからず入ると共に、単純利害を超えた根源的な面から生まれる情緒性が備わり、これらの欲望に価値の重心が取られ幸福感を抱くと想定されます。
直接の経済的な測定の外に置かれ明瞭な需給構造の認識に及びづらい欲望と充足に成り、パイの概念と適用の見えづらいパイが作られ、これも合わせて全体と計りパイの拡大概念が当てられる。配分の偏りを修正する事はこの見えづらいパイの拡大になり、力と責任の平等へと修復させる事が情緒性の健康を齎し生物物理面の長寿へ連なる想定が描かれます。この因果に一定の実感を置くものであれば、見えやすい単純物理性の欲望を抑える事に価値が生まれパイの広がりと解される。
幸福感情の抱き方という面から、それを多く味わえる事にパイの拡大概念をとり、単純な経済概念を超える充足の算式を描く所に人間の成長が表される。過不足に対して自主内発的に修正を取る事が出来るか、物性的な欲望への一面に対して、人との公平な関係から現れる良好な感受性を持ちたいとする欲望に価値を抱くかどうかに係り、これらの割合感覚が生み出される。欲望と力の行使に対する責任感覚に相当し、責任感覚という義務感よりも、進んで望む対人の良好性から均衡を作り生まれる欲望の最大化という図式で示される。
物性型の一面的成長概念の強まりは、このようなパイの概念が現れず、情緒的な面を含んだ欲望の充足に健康な人間像が描き出され、産業経済と文化の成長と描く事に創造事物と人間の同時並行的な成長の実感が生まれる。世界観が偏狭化して、物性の欲望を慌てて追いかけ回す感度が深まり、人間関係の公平性から抱かれる欲望の萎んだ世界が作られると、明瞭な知覚の取れるパイの概念で固まり、それを答えとした方法を発案し感性の多彩性を衰退させ味わえる欲望の質が縮小する。このような世界観も少なからず浮かべる所に適正を置くのが健康にも思います。