文化と日常

文化と日常の接点

判断の基準には過去の事象を用いるか、未来のビジョンからの因果を想定するかという2つの尺度によって現在の動きが作られる。現況維持型の志向には過去へ目が向き、改善志向によるとビジョンとそれへの工程として現在の判断が下されこの構造から維持と変化の程度が現れる。

長期性のビジョンという人間の変動性の少ない確かな指針が物理性と理性の在り方や用い方、自他との関係の作り方、善意型と悪意型等から形成され、安直な手法の多用や正攻法を常とする方法、他力と自力や、協働性や個人型の生産方式で習慣的な感性が作られる。

生産特性からビジョンの創出や実現可能性の感度が生まれ、全体観と個別の共有により円滑性の善し悪しが生まれる。

例えば営業マンが仕事欲しさに供給能力を計らずに過剰な訴求をして後にトラブルを生み出す事がしばしば生まれ全体の供給力と適正な訴求の仕方へと是正されて実現可能性を掴みだされる。個々の経験から楽観と悲観的な両面の適正さを掴みビジョンと方法の円滑な運びが作られる。

どこまでを責任範囲とするか予め提示して生産能力を表し工程の範囲が規定されて工程間の円滑性に及び、権利と義務の行使が果たされる。欲望と力と責任の均衡感覚はこうした体験から肌感覚に浸透する。無形財では曖昧さが高まり、それに即した業務運営上のポイントが投じられる。

こうした事象の根底にフラットな感性が物事への謙虚さを生み、過不足の少ない誠実な対話に連なる事からも、文化感覚の所在が 人々の良好な関係形成の基盤として重要な要素と言えるのでしょう。

以上のように、判断、原理の創造、原理の適用、真摯な対象との対峙と持続性という点で社会形成の要点が抽出されます。今日生じる問題事象には文化意識の弱まりが根本原因にありミクロの健全な感性の持続から適正な事象の把握や原理の創造、健康な判断に及び良質な歩みが生まれる事に思われます。

掃除、洗濯、食事、運動、挨拶等という事が身近なミクロ面の健全性を作り出す規則性となり、頭脳へ偏した体質から道具や他人へ過剰に任せその副作用として、フラットな感覚を壊した発想や行為に及ぶ事からも、身近な習慣や慣習の持続が健全な創造の速度感を生み、気ばかり焦って体が付いてこないという状態を予防する感度を作るかに思います。

文化の刷新

文化の刷新

文化という言葉の都合のよい用い方とも思われる観念形成が広がり本質的な部分が不透明になり知的体系の意義が脆弱化しているかに見受けられます。本道と逸れた利己的な欲望を先行した結果生まれる事象とも伺え、本来的な原理探求と離れこの領域を主たる活動にされる人々への心持への不信感と現れます。

「文化は人間の不変性や普遍性への問いと、実現へエネルギーが注がれる活動である」という規定に不動性を持ち、中でも人間平等の観念を中軸に添えた実践工程を作る事が領域の使命に在りこの基幹動態とずいぶん離れた学者の趣味のような世界に進められる事には、歪んだ精神性をのぞかせる。この平等思想を柱に、それを強化する為の学問体系や活動という軌道に在って社会的な存在意義が持続する。こうしたエネルギーの投じ方と離れたものでは科学技術との良好な関係を創り上げる作用に及ばず人間社会の希薄性というバランスの可笑しさへの歯止めが効かず、本来の役割を欠いているという認識が現れ、文化という言葉の中軸も、どうやら現代の細分化の進行から弱まって迷走のなかに在るかの印象が浮かびます。

この分野の本分は、歌舞伎や相撲、古事記や万葉集、歴史の編纂等々の個別的な分野や観測的な立場を進めるような性格にはなく、あらゆる知の統合的な未来形成的観念の創出と実現により、人間の強靭な背骨を創る事が使命と置かれる。この軌道にないものは文化等という言葉を適用するのは間違いに映ります。

実社会との距離が離れ過ぎ、社会問題との真摯な対峙にない個々人の趣味や趣向に走る社会性の弱い活動という認識に及び、研究者の狭い価値観へと入り込み、実社会への効用を与える意識が弱く、感受性の萎みや歪みと感じられ、これへの問題認識や不快感が現れます。

本書の文化論は文化の本筋を外す事無く現代社会の歪みを正す上で有用な観念と実践の体系になりこの焦点に集約して社会への効用を作り出すのが当該分野の正道に備わります。

某文化研究機構等の文化を柱に備える領域の活動実態を、この方針に転換させ、教育界や経済界、法曹界や政界への強い牽引役と刷新させる為には、私の文化論を根本に備える必要が生まれる。文化が強くない空間の秩序は感受性の痩せ細りに及び人間崩壊への道を作りだす。文化作用が脆弱である事から現代的な自制力の弱い物理依存症が創り上げられ欲望と責任の不均衡が進んで異常な犯罪が発生する。平等思想の反映された健全な文化が備わって、前進性の気持ちの流れが常態し、軌道の太い経済や公平公正な政治に及び、大きな利益の増産される健康体と成長が持続するものと描かれます。