物理性の焦点

求められる欲望がビジョンに成りそれへ資する力が富の源泉となる関係式が生まれ欲望の質実があらゆる原理の動源に備わる。品物や住居、都市の作りや流通の利便性や規格化が精緻化するほどに人間側の感度もそれに慣れ、少しの狂いも許さない感覚が深まり、人との対話や関係作りにも同質の感覚を欲しがり、ちょっとしたズレに過敏な反応を見せ、用いる言葉や振る舞いの窮屈さに到達する。物理性の原理が人との関係に深まって、感性や表現の多彩性や豊かさを萎ませる傾向が深まる事へは、どこかで冷静な省みを起こし、何を本当に欲しいのかについての問いから、生産や創造の修正を取るのがアナログ的性質を基軸に持つ人間の営みに思われます。

近代からの科学技術の合理性の力に酔いしれて、産業、経済、政治へとこの基礎感覚が増進し社会構造や所得格差と現れて人のモノ化が進行し、貨幣や物的豊かさに対する欲望の単線的な発想が浸透した。この感覚が常識と備わり、身体や精神面の脆弱化された面に対して直視せずに肯定感を強める事から、自己の側へ真摯な対峙を成し心身の健康な正しい道への軌道を持つのが本能的な欲望と思います。物理性へ偏した経済原理で金銭欲にひた走る性格には常軌を逸した心身の状態と映し出されます。このような結果から対人面の免疫が弱まり、生身の接触を怖がり道具への過剰な依存へ傾いた判断や反応が顕著に現れ、道徳の喪失した貧しい感性やひ弱な振る舞い、姑息な発想による個々人の関係や集団間、国家間の関係としてその姿が日々報じられる。秩序を牽引する人々に在っては、第一にこの焦点についての認識を取られる感覚に真っ当な健康体の姿が映し出され、行き過ぎた物的感覚からの見直し策を大局の軌道に備えるのが適正となり、この認識をあらゆる人々と共有し確かな主導を担う判断が求められる。特定空間における固有の現況というよりも科学技術という汎用的力による統一的な原理の反映から起こる一般化現象の性格で捉えられ、共通性の高い快適と不快が感覚的に生まれ人との関係に連なる普遍性の原理と把握される。こうした認識を引き出し適正化の概念を形成する論理的筋道となる一つの感性が本書の文化論における標準図面と思われます。

 

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