文化の健全な感性の構築

行為と規則性で観念が積み上がり、それらを抽象化して原理と浮かび、それが行為を縛る。良質な体験不快な体験からの伸張策や回避策と現れる。快不快の感じられ方が、それらの根になり、感度や志向の在り方が、現況を掴み施策に反映される。

感度は成長過程から創り上げられ、自己創造型の体験と他者からの提供型の体験との比重や割合から、体質が固まり、外界への期待感を強く持つ志向と自己生産型の志向として現れる。与えられる機会が多いと自身で作らず、与えられるより与える方の行為が多いと外界への期待より外界へ期待を与える。こうした過程の相違から、性質の相違が生まれ、以下のような二項対置概念で示される。

・利他的と利己的・固有技術と管理技術・感覚先行と観念先行・創造型と保守型

実際上は、両極端になる事は少なく、自己と他者との協働や自立の相互的関係で、いずれの性格も含んだ反応が生まれ、反復的な対話や協働で次第に適正な基準が知覚されて、自他との良質性を創り上げられるものと思います。

しかし、特異な過程からこれらの極端な体質が生まれ、一方向的な得るばかりで与えない感度が作られ、可笑しな常識感覚のまま力を備えられるような配置を与えると異常な支配願望や相互性の弱い非人間的な個人や集団が生み出される。感覚工程からの観念化によって、適正な感情が育成されて、相互性を持つ感性が築かれる。

この工程を省略して、いきなり知名度や親の七光り等での過剰な力や配置に就かせると、暴走となって現れる。協働生産の体験の弱い二次情報詰め込み型の正当性を、やけに強めた支配管理型の欲望の強さが先行し、過程の良質性よりも支配や得る為の発想を強めた感度を反映した判断や行為が顕著に知覚される。

この性質が随所に見られるのが、現代的な社会構造の負の側面になり、それへの適切な対処と共に、人格形成過程の健全な設計を強化した再構築が欠かせない。負の人格を出来る限り予防するアプローチから、一定の健全なインフラを固め、健康な心身を備えた創造や協働の関係性を築く事に、多くの人々の基礎的な欲望が在るかに思われます。

 この観点からの抽象原理を体系化し、見える化する事で認識の強化が生まれ、思考や行為、選択や判断の基準と浸透する事が人々の欲望充足と見識の良質性となり、各種場面で適用させ良質な創造が深まりを見せる。教育の在り方や、ミクロマクロの産業経済の側面、政治行政の適正、諸外国との関わり方、普遍的秩序の形成と反映といった焦点へと応用し、常識感覚の強化を図るという次元での人間の向上策という面を、歴史からの教訓として取り入れる事が自然に思います。基盤面の厚みを備えた自由な発想という図式に、安定と繁栄の優れた仕組みが創り出される。以上のような発想と思索を重ね出来ましたのが、本書の文化体系論に成ります。

この施策を先行させられて、表層の経済政治行政への適正な判断を実施できる個人が増加する。この面を省略していくら力んでも良質な創造へは進まない。