集団と文化基盤
大きな目的への拘りを共有する事と、下限の善を守ることの2つの要件が揃って人々の持続的関係性が継続する。今日見られる対人面の不調和は、この要件に欠ける事から生まれる対立に見られ、極端な感覚の異質性を有する人々を除けば、概ね歩調を合わせられる範囲の事かと思われます。
集団存立の目的と協働関係と、下限の運営規定の公正さが、人工性の組織に必要な要所に成り、組織存立までの過程で、これらの感度が少しずつ確認され、人々の息のあった所で明文化する等の手順を持つのが、多くのケースに思われます。
集団の規模が拡大するにつれ、目的への実感性が近づくにつれ、見えなかった所が見えるなどして、目的自体の微調整や、目的への方法が徐々に変わり、運営規定にも改訂個所が生まれるという集団の生物としての様相が現れる。
目的と各工程の綿密な定期調整等によって、意識のズレを離さない工夫や、新たな人材の加入面における派閥の力学等も加わり、内部の求心原理が変容する程度は、物事の制作とその実感性の捉え方の特性により、対人面か技術面かの意識の持つ程度に現れる。
創り上げる意識が強いほどに、細かな対人的軋轢は気に成らず、創る事へとエネルギーが注がれる。制作事物の曖昧な集団ほど、対人的処遇への不公平感に意識が向かい、つまらぬ詮索や小細工が多発して、中長期の継続に至らないといった傾向に思われます。
創る意識が注がれずに、集団が存立できるという構造自体に問題が映り、需給構造の特殊性が、つまらぬ拘りを許す甘えの構造を作り、集団が対象とする面への制作努力を要さずに持続する異質性が、これらの根底構造に映し出されます。
定期的頻繁な対象からのチェックを受ける緊張関係が、外側への意識に及び、内部の軋轢を感じる余裕など生じさせずに、外へのエネルギーが集中する。集団を壊さない為に外部集団との関係を構成して基盤固めを作ることで、内外からの配置を定着化させる作法が用いられる。そして、目的と協働体制と運営規定という3つの要素の定期更新を欠かさずに、意識を留める定期対話が繰り返される。
外部への力を持つ内は、内部の不満は顕在化されず、外への力が弱まる度に不満要素が随所に生じ、分散的な意識となり、瓦解への道を辿る。この程度が、所与的感性の同質性や人工的組織の性質から生じ、壊れやすい集団と粘り強い集団との相違に思われます。このような存立から成長にかけての集団の変容に見受けられます。
機能的作用と価値の面と、間を繋ぐ相互対話性という文化基盤によって、集団の性質に現れ、身体と頭脳と心の3作用が体制に不可欠な要素と置かれる。技術の特殊性によって、この3作用の必要性が異なり、つまり外部に対する優位性を持つ技術の相違、独自性から、体のつくりが変わりそれが体質と知覚される。機能性の組織か、情緒的対人性か、色分けが生まれるものでしょう。
どんなに物理的力を保有しても、人々との大きな相違や優越意識を強めることなく、フラットな感覚を持てることが持続的成長の肝になり、それは力に対して自らに責任を課すという意識として現れる。この感性が維持される事で健全な持続的成長への軌道が固まる。人々への強圧的姿や傲慢さは、物理性に振り回された人間側の器量の不足した制御不能な状態と映り、人と力のアンバランスを是正する作用によって、健康な精神が確保される。
このような意味から、文化意識の有無や程度が存続の基盤になると考えます。根本的原理の上に、マクロ観点からの機能設計という思索を持つのが、健全な意志を持つ主体のあり方と思います。